肩こりや頸(首)の痛みは日常よくある症状ですが、それに腕や手の痺れを伴う場合は一度頚椎の検査をしたほうがよいかもしれません。
朝起きた時から、頸から肩甲骨にかけて痛みが出てきたAさん。「自分では寝違えと思うんですが」と頸をさすりながら診察室に入ってきました。話を聞くと、右肩から腕にかけての痛みと手指の痺れが、以前から時々あったようです。
診察では四肢の筋力障害や、痺れ知覚の鈍さがないかなど神経にダメージがないかを調べます。Aさんは上腕に痛みと第1、2指に痺れがあり、頸を後ろに傾けると腕に電気が走るような痛みが走りました。これは頚椎から手指に達する頸神経が、頸の動きで刺激されて起こる症状です。このような頚神経の障害を「頚椎症性神経根症」と言います。
原因としては椎間板ヘルニアや年齢的変化に伴う骨の出っ張り(骨棘)などにより神経が圧迫され発症します。痺れの範囲は障害される神経によりおおよそ決まっており、画像検査と神経の症状を照らし合わせ障害部位を診断します。
治療は、頚椎を固定するカラー、痛みや炎症をおさえる薬、頚椎牽引などのリハビリで軽快する場合が多いと言われています。しかし痛みが強い場合や、筋力が徐々に低下する場合は手術療法を選択することがあります。気になる症状がある方は医療機関で相談をしましょう。
(いしぐろ脳神経・整形外科クリニック院長、整形外科医:北國新聞掲載)