日本人の3~4人に1人は、1カ月に1度以上は頭が痛くなる「頭痛持ち」だ。その8割近い人が、市販薬を使ったり、ひたすら我慢したりして痛みに耐えているというから驚く。

頭痛持ちで特に多いのが「緊張型頭痛」と「片頭痛」である。両者は、その発生機序が異なり、治療法も違う。だが、医療機関を利用したことのない患者さんの中には、自分の痛みが何によるものかを分かっていない人が多い。

大別すれば、緊張型頭痛は、両側が締め付けられたように痛くなる頭痛(筋肉性)である。我慢できないほどでの強さではない。が、だらだらと続く。寝込むことはなく、吐くこともない。

片頭痛は、片側のズキンズキンした拍動性の頭痛(血管性)である。発作時には、吐き気や嘔吐を伴うことが多く、光や音、臭いに過敏になる。日常の生活動作で頭痛がひどくなり、寝込んだりする。

だが、頭痛にも例外はつきものである。片頭痛でも、両側が痛むものが約4割もあり、また、痛みが拍動性ではないケースが約半数にみられるという。緊張型頭痛でも、吐き気がして光や音に敏感になることもある。また、同じ人に、片頭痛と緊張型頭痛が併発することも稀ではない。というわけで、医者が診ても、鑑別が難しい例もあるのだ。

が、さて。この何でも我慢ということを忘れがちな時代に、痛みを市販薬で我慢して、結局はその使い過ぎで薬剤の使用過多による頭痛(薬剤乱用頭痛)を引き起こす人が増えているという。

片頭痛は、今では、原因となるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の内服薬も処方できるようになった。これからは、予防治療が主流の時代になっていく。というのに。いまだ、多くの人が、石器時代のように我慢を貫いているという。

(いしぐろ脳神経・整形外科クリニック・脳神経外科・石黒修三:9/5北國新聞掲載)