暑い日が続く。今年は、去年よりもっと厳しい夏になるらしい。が、嫌なのは、熱中症だけではない。夏には、脳梗塞も多くなる。

熱中症も脳梗塞も、暑さで起きやすい脱水と深く関わっている。熱中症は、脱水によって体温調節の機能が低下し、熱が体内にこもることで引き起こされる。脳梗塞は、脱水によって血液がドロドロになり、できた血栓で血管が詰まることで起きる。

脱水が起きれば、体重の1~2%の水分が失われる軽度のものでも、のどの渇きや尿量の減少、口の中のネバつきや肌の乾燥などが自覚されるはずだ。この時点で、慌てて水分の補給を急ぐ人が多いが、高齢者ではそれでは遅い。なぜなら、高齢者では、もともと、自覚症状のない「隠れ脱水」といった状態が起きているからである。

高齢者では、加齢によって脳の口喝中枢の働きが低下していて、のどの渇きを感じにくくなっている。加えて、排尿回数を増やしたがらないので、自ずと1日の飲水量が少なくなる。食事量が減り、代謝も落ちることから、体が作り出す代謝水も減る。体液をプールしている筋肉量も減っている。等々で、もともと高齢者は、常に軽い脱水状態にあり、熱中症や脳梗塞を起こしやすくなっているのである。

対策は、のどが渇かなくとも、こまめに水を飲むことだ。食後、食間、眠前、起床時、入浴前後など、1日7、8回、コップ1杯弱。そして、3度の食事をしっかり摂る。さらに、起床時の決まった時間に、排尿後の体重を計り比べるだけでよい。

と言ったら、あるご婦人。「私なんか、水を飲んでも太る体質で」と反論された。が、カロリーのない水で太ることはありえない。水の飲み過ぎで体重が増えるのなら、それは「むくみ」によるものかもしれない。検査をお勧めする。

(いしぐろ脳神経・整形外科クリニック・脳神経外科・石黒修三:6/13北國新聞掲載)