以前、自分が肺炎で咳が長引いたある日、いつものようにゴホッとした瞬間、側背部に激痛が走りました。「あ、いてて・・・」後に肋骨の骨折と分かりました。「たかが咳ぐらいで」と思われるかもしれませんが、日常生活でもよく遭遇する肋骨骨折についてお話します。

骨折の原因は、交通事故や転落事故、机や風呂おけなどの角にぶつけたり、転倒したりとさまざまです。また、咳やゴルフスイングなど、繰り返し力が加わることで疲労骨折を起こすこともあります。

症状は主に骨折した部位の痛みですが、特に咳やくしゃみなどで痛みが増すのが特徴です。また強い外力が加わった場合、肺を損傷したり血液が貯留することがあります。

診察では受傷部位の内出血圧痛の有無などを確認し、エックス線やコンピューター断層撮影(CT)などの画像検査で骨や肺の状態を調べます。撮影角度や骨折の程度、肺や肋骨の重なり具合によっては、骨折がはっきり見えないこともありますが、病歴や症状から診察します。

治療は、伸縮素材の固定帯を巻くことで骨折部位の安静を保ちます。消炎鎮痛剤や外用薬を併用することもありますが、あくまでも骨折部の安定化が大切なので、過度な運動は控えましょう。

骨折の大きな原因である転倒は、筋力や体幹バランスの低下で起こりやすくなるので、体力維持は骨折予防においても大切です。

(いしぐろ脳神経・整形外科クリニック院長 整形外科医:北國新聞掲載)