「パーキンソン病」という病気をご存知でしょうか?最近、タレントのみのもんたさんが闘病生活を公表されるなど、病気の知名度が上がってきたように思われます。
パーキンソン病は脳のドパミン神経細胞が減少し、体が動かしづらくなる病気です。65歳前後で発症する方が最も多く、人生100年時代の近年では、80歳を過ぎて初めて発症する方も珍しくありません。逆に、40歳未満で発症する「若年型」もあり、遺伝学的な検索が必要になる場合もあります。
代表的な症状は、ふるえ(振戦)、動作緩慢、全身の筋肉のこわばり(筋強剛)、転びやすさです。年のせいや運動不足だと思い込んでいる患者さんのなかに、パーキンソン病が隠れていることもあります。その他、便秘や血圧変動、鬱っぽさ、睡眠障害、幻覚などもしばしば問題になります。
高齢患者さんは認知症の合併がないか確認が必要です。個人差がありますが、症状はゆっくりと進行します。頭のMRIやCTのほか、ドパミン神経細胞の障害程度を確認するドパミン受容体シンチなどで検査します。
根治治療はまだ見つかっていませんが、ドパミン量を調整する薬剤やリハビリで症状を緩和させる治療を行います。気になる症状などがありましたら医師にご相談ください。
(いしぐろ脳神経・整形外科クリニック副院長、脳神経内科医・清水愛:12/12北國新聞掲載)